沖縄北部の山間で亜熱帯の森林深くの清水が育む芳醇な泡盛、やんばる酒造所の訪問記

沖縄のお酒と言えば、泡盛である。泡盛は、琉球王朝時代は、首里城近くでしか製造を許されず、庶民へ流通した泡盛は限定的だった。蒸留技術は、琉球王朝ができる以前にシャム国(タイ)から伝わっていたが、質の良い泡盛を生み出す黒麹は江戸時代に薩摩からやってきた。明治になって沖縄各地で泡盛の酒造が許され、ヤンバルにも酒造所ができた。

今回訪問した「やんばる酒造株式会社」は、大宜味村の田嘉里川沿いにあり、70年前に地域の人たちが創設した沖縄本島で最北端の泡盛専門の酒造所である。やんばる酒造所での泡盛の製造方法は共通だが、水が違う。南部が琉球石灰岩を浸透し浄化された硬水であるのに対し、やんばる酒造所では森と石灰石をあまり含まない土壌を浸透した中硬水を山からくみ上げて、仕込み水、蒸留時の冷却水、割り水に用いている。私は、毎日ヤンバルの湧き水で米を炊きお茶を飲んでおり、水のおいしさを実感しているので、帰宅後の試飲が楽しみであった(現地で試飲は可能だが、車でないと行けない)。

工場を案内していただいたので、順に説明する。

やんばる酒造所の見学の受付と販売所。

酒造所の入り口 社長の池原さんに案内していただきました。
米はタイのインディカ米

タイ米は、洗米、浸漬、水切りを行う。

水切り後、蒸し器で蒸しあげられる。1行程で70kgを蒸す。
蒸し上がった米に黒麹菌の胞子をまんべんなく散布する。黒麹菌は、強い菌であるため、他の菌を寄せ付けない。また、黒酢でも用いられる有難い菌である。
工場の屋根の一面に着いた黒麹菌は、建物の歴史を感じさせる。

黒麹菌で出来た米麹は、ヤンバルの水と混ぜてモロミとなり、ゆっくり発酵させる。一か月たったモロミからは、少し甘いような泡盛の香りがした。

低音殺菌装置の制御パネル

米麹に合わせる水や割り水は、紫外線で低音殺菌される。低音殺菌は、絞りたての牛乳の美味さを熱で損なわせないために広く用いられている。ヤンバルの生水の美味さを保つ努力は素晴らしい。

蒸留装置

発酵が終わったモロミは、加熱し蒸留され、写真の角ばったパイプを通って冷却槽に吹き込まれる。冷却槽を流れる水もヤンバルの水である。水道水を使わないのは、ヤンバルの水は夏でも冷たいからだろうかコスト面だろうかと勝手に想像した。

貯蔵タンク

蒸留された新しい泡盛は、一年以上貯蔵タンクで熟成され、ゆっくりとまろやかさを増していく。

池原社長は、昔教員をされていたとの事で、優しく分かりやすく説明して頂きました。誠に有難うございました。

帰宅後に、「大山原」を試飲をした。今まで飲んだ焼酎、泡盛の中で最も美味かった。やんばる酒造所は、地元に根差した酒造所で、ほとんどが地元で消費される。過疎化により需要が減る中、読者の皆様におかれましては、ヤンバルへお出かけの際は、やんばる酒造所に寄って、美味しいお酒をお試し頂ければと思いました。

我が家で一杯

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA